Asia Pacific
インドの学生の9%に自殺念慮、最高裁判所の報告
インドの高等教育機関における学生のメンタルヘルスを調査するため、インド最高裁判所が設置したパネルが実施した調査で、学生の9%が過去1年間に「頻繁に」または「非常に多く」自殺を考えたことがあると回答した。
- Reading time
- 4 分で読めます
- 公開
- 2026/09/30 2:27

Asia Pacific
インドの高等教育機関における学生のメンタルヘルスを調査するため、インド最高裁判所が設置したパネルが実施した調査で、学生の9%が過去1年間に「頻繁に」または「非常に多く」自殺を考えたことがあると回答した。

インドの高等教育機関における学生のメンタルヘルスを調査するため、インド最高裁判所が設置したパネルが実施した調査で、学生の9%が過去1年間に「頻繁に」または「非常に多く」自殺を考えたことがあると回答した。
国家タスクフォースによる全国調査には、24万3,000人以上の学生から回答が寄せられ、その67%は指定カースト(SC)、指定部族(ST)、その他後進階級(OBC)に属していた。調査によると、15%の学生は、過去6か月間に数週間にわたって強い精神的ストレスや不安を感じていたと回答した。また、約34%の学生は、程度の差はあるものの、キャンパスで孤立している、あるいは自分が部外者のように感じたことがあると答えた。
学生たちは、教育機関で受けられる支援についてもさまざまな意見を示した。56%は、深刻な問題が発生した場合、大学側が公平に対応してくれると信頼していると回答した一方、約32%は、自分の所属する教育機関にはカウンセリングの体制がないと答えた。
当局によると、学生の間では、進学先や専攻の選択、将来の就職についての継続的な不安も目立った。今回の調査結果は、インドの高等教育機関で相次ぐ学生の自殺をめぐり、再び大きな関心が集まっている時期に公表された。IITデリーとIITボンベイで2人の学生が死亡したことを受けても、この問題について深刻な懸念が示されていた。
最高裁判所が設置したパネルは報告書の中で、高等教育を受ける学生が直面している社会的・制度的な問題についても指摘した。報告書によると、学生からは根深い社会的差別、医学部や工学部におけるセクシュアルハラスメント、一部の大学で教員によるジェンダー差別についての訴えが寄せられた。
また、入学、成績評価、言語の違い、教員から受ける指導や関心などをめぐり、カーストを理由とする侮辱や差別を受けたとの訴えもあった。さらに、NEET-UGやJEEの順位をもとに学生のカーストを特定する問題も報告書に盛り込まれた。
一方、国家タスクフォースの高官は、現在の調査サンプルは代表性に欠けるため、これらの結果は暫定的かつ予備的なものとして捉える必要があると、インドの通信社PTIに語った。
この高官によると、初期段階の傾向は、学生向けの標準化された支援体制、教員研修の充実、メンタルヘルスに対する偏見の軽減、危機的状況に対応するための明確な手順、そして学生の精神的な健康状態を定期的に把握する仕組みの必要性を示しているという。
タスクフォースは調査に加え、さまざまな教育機関を訪問し、関係者との協議も行った。これまでにデリーおよび首都圏(NCR)、タミル・ナドゥ州、カルナータカ州、アッサム州、西ベンガル州の19の教育機関で、計30回の会合が開かれている。
各教育機関では、厳格な出席規則、過重な学業スケジュール、医学・臨床分野における追加的な負担、医学生の長時間にわたるオンコール勤務などが問題として挙げられた。工学系大学では、成績評価や就職に関する厳しい基準による激しい競争への懸念が示されたほか、州立大学では教員不足や十分な学習支援が受けられないことへの不満も寄せられた。
歯学や看護学など一部の分野では、実習の不足により、学生が専門職として実際の業務に就くための準備が十分ではないと感じていることも明らかになった。また、博士課程の学生からは、一部の指導教員による放置、過度な管理、搾取についての訴えも寄せられた。
国家タスクフォースは、インドの高等教育機関で増加している学生の自殺や、メンタルヘルスおよび学生のウェルビーイングに関する問題を調査するため、最高裁判所によって2025年3月に設置された。パネルの最終報告書は10月31日までに提出される見通しとなっている。