Culture · パキスタン
ムルターンの伝統工芸職人が「マルチニー・ブルー陶器」のデジタル化とグローバル直接販売を開始
コバルトブルー釉薬の3Dアーカイブ化、NFC真性証明書、フェアトレードEC基盤により、海外市場へダイレクトに展開。
- Author
- ニュースタイム・パキスタン編集部
- Bureau
- イスラマバード支局
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- 3 分で読めます
- 公開
- 2025/12/13 13:20

Culture · パキスタン
コバルトブルー釉薬の3Dアーカイブ化、NFC真性証明書、フェアトレードEC基盤により、海外市場へダイレクトに展開。

パンジャブ小規模産業公社は、国際文化遺産保護機関と連携し、ムルターンに数世紀にわたり伝わる伝統の青陶器「カシカリ(Kashikari)」の技術保存とグローバル展開を目指すデジタル支援事業を開始しました。本事業では、熟練職人への高精細3Dスキャン技術の提供、オンライン直販ストアの構築、フェアトレード認証付きの輸出ルートが整備されました。
鮮やかなコバルトブルーと細密な植物文様で世界的に知られるムルターンの青陶器は、12世紀から代々の職人ギルドによって受け継がれてきました。しかし、近年の工業用大量生産品の流入や海外バイヤーへのアクセス不足により、伝統工房の経営は困窮に直面していました。
新プロジェクトでは、ムルターン旧市街にデジタルアーカイブスタジオが設置されました。老練な陶芸家たちが、先祖代々秘伝とされてきたコバルト釉薬の調合比率や土の配合、手描きタイルの幾何学文様をデジタルデータとして記録し、永続的に保存する作業が進められています。
アーカイブ化に加え、制作されたすべての作品には暗号化された極小NFCセキュリティタグとデジタル真性証明書が添付されます。世界中のコレクターはスマートフォンでタグを読み取ることで、製作者の氏名、制作日、手作業のプロセスを即座に検証できます。

ムルターンの職人ギルドと、欧州、北米、中東のインテリアデザイナーやアートギャラリーを直接結ぶ専用のフェアトレードECプラットフォームが開設されました。中間業者の搾取を排除した直接取引により、職人の純利益率は従来の2倍以上に向上しました。
自らの手仕事が海外で正当に評価されたことで、工房の職人たちは強い誇りを取り戻しています。収益性の向上により、若手見習い職人への十分な給与支払いが可能となり、技術継承の途が拓かれました。
割れやすい陶器や建築用タイルを安全に国際輸送するため、大手国際物流企業との間で専用梱包・配送アライアンスが締結されました。耐衝撃性高分子フォームを用いた保護パッケージにより、世界各地へ5営業日以内に安全に届けられます。
文化史家は、伝統工芸の保護が単なる物品の保存にとどまらず、生きている無形文化の維持に貢献していると高く評価します。カシカリのデジタル化は、先端技術がいかに伝統美学を尊重しながら職人をエンパワーメントできるかを示す好例です。

政府は今後、チニオットの木彫り細工、ペシャワールの革工芸、スワート渓谷の伝統刺繍など、パキスタン全土の歴史的工芸品へ本デジタルプラットフォームを拡大する予定です。
世界中のアート愛好家が倫理的に調達された工芸品を支持する中、ムルターンの青陶器職人たちは経済的自立と文化の誇りを確固たるものにしています。デジタル時代における文化遺産継承の模範的モデルとなっています。