モディ首相の公邸近くにある歴史的モスク、取り壊しの危機に直面
インドの首都ニューデリーにある築約100年の歴史を持つレースコース・モスクが、取り壊される可能性に直面している。
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- 2026/10/26 5:10

インドの首都ニューデリーにある築約100年の歴史を持つレースコース・モスクが、取り壊される可能性に直面している。

ニューデリー: インドの首都ニューデリーにある築約100年の歴史を持つレースコース・モスクが、取り壊される可能性に直面している。ソーシャルメディアで拡散している動画には、金曜礼拝後、イマームのムハンマド・ハルーン師が涙を流しながら祈りを捧げ、ほかの礼拝者たちもモスクを守るために静かに祈る姿が映っている。
動画の中で、高齢のイマーム、ムハンマド・ハルーン師は神に助けを求め、「アッラーよ、どうか私たちをお助けください。あなたこそ私たちの唯一の希望です。今、私たちの信仰が試されています」と訴えている。礼拝者たちは彼のそばで静かに祈りを捧げている。また、男性や女性がモスクの存続と、自らの尊厳の回復を願って祈る姿も確認できる。
インドのメディアによると、レースコース・モスクは築約100年の建物で、2009年にグレードIIの歴史的文化遺産として指定された。モスクは、インドのナレンドラ・モディ首相の公邸近くにあるレースコース・クラブの敷地内に位置している。同クラブの敷地面積は約53エーカーに及ぶ。報道によると、複数の法的手続きが行われた後、クラブと周辺にある仮設住宅の撤去が進められている。
報道によれば、インド政府は同地域の土地の引き渡しを求める根拠として、国家安全保障を挙げている。土地開発局(L&DO)は、モスクの敷地を中央政府の所有地とする通知を掲示し、敷地内でのいかなる活動も不法占拠とみなされる可能性があると警告した。
現地では障壁が設置され、警備要員が配置されている。部外者、とりわけ報道関係者の立ち入りは認められていないという。ハルーン師によると、L&DOの職員からモスクの敷地を明け渡すよう6日間の猶予を与えられ、期限内に退去しなければ法的措置を取る可能性があると警告された。報道によると、モスクへの電気と水道の供給は10月7日に停止された。
報道によれば、デリー高等裁判所は10月15日、モスクへの電気と水道の供給を再開するよう命じることを拒否した。ニューデリー市議会は裁判所に対し、仮設住宅の撤去を含む取り壊し作業が地域内で進められており、作業によって一般市民に被害が及ぶおそれがあると説明した。
市議会はまた、取り壊し作業の監督と土地の引き渡しを担当する土地開発局が、訴訟の当事者に含まれていない点も指摘した。
裁判所は、敷地の元々の占有者とされるデリー・ワクフ委員会が、電気と水道の供給停止について異議を申し立てていないと指摘した。また、ワクフ委員会によって任命されたハルーン師には、当該敷地に対する独立した権利がないため、公共サービスの停止が自身の基本的人権を侵害したと主張することはできないとの見解を示した。
レースコース・モスクの問題が全国的な注目を集めるなか、全インド・ムスリム統一評議会(AIMIM)のアサドゥディン・オワイシ党首は、少数者問題担当相のキレン・リジジュ氏に対し、計画されている取り壊しをめぐって直ちに介入するよう求めた。
報道によると、オワイシ氏はデリー・ワクフ委員会が2023年以降、機能していないと指摘した。また、同委員会の最高経営責任者も介入できたはずだが、実際には何の対応も取られなかったと述べた。
インドのメディアは、9月から10月にかけて、マディヤ・プラデーシュ州ウッジャイン、ニューデリーのシャリマール・バーグ、ウッタル・プラデーシュ州サハーランプルなど、複数の地域でモスク全体、またはその一部を取り壊す作業が行われたと報じている。当局は、道路拡幅計画、政府所有地からの不法占拠の排除、裁判所命令などを、これらの措置の根拠として挙げている。
インドのメディアによると、モディ政権は9月、各地の少なくとも7カ所のモスクについて、全部または一部を取り壊す命令を出した。
そして今、ニューデリーにある歴史的なレースコース・モスクも取り壊しの危機にさらされている。行政当局による立ち退き通知に加え、電気と水道の供給が停止されたことで、この歴史的なモスクの今後について、さまざまな社会団体や関係者の間で懸念と疑問が広がっている。