Business · パキスタン
パンジャブ州中部で精密点滴灌漑と太陽光ポンプの導入実証、節水率40%を達成
ムルターンおよびファイサラーバードの実証農場において、節水技術による収量増加と大幅なコスト削減を証明。
- Author
- ニュースタイム・パキスタン編集部
- Bureau
- イスラマバード支局
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- 公開
- 2026/03/31 13:20

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ムルターンおよびファイサラーバードの実証農場において、節水技術による収量増加と大幅なコスト削減を証明。

インダス川水系における地下水枯渇に対応するため、パンジャブ州農業局は、ムルターン、ファイサラーバード、サヒワルなどの農業地帯において、太陽光駆動型精密点滴灌漑(ドリップイリゲーション)の大規模実証を開始しました。本取り組みは、極度な節水と農作物収量の維持向上を両立させる先進モデルです。
従来の全開かけ流し灌漑では、供給された水蒸発や地下浸透により最大60%の水が徒労に失われていました。これに対し精密点滴システムは、作物の根元に設置した細径チューブから、必要な水量と液肥をマイクロドロップ単位で的確に供給し、肥料の吸収効率を高めます。
実証サイトのアグロノミスト(農学者)の報告によると、小麦および綿花の栽培サイクルにおいて全体の水使用量が40%削減されました。同時に、根域の適切な水分保持と雑草発生の抑制により、作物の収量は15%増加し、農家の収益向上に貢献しました。
システムには、高効率ソーラーパネルと深井戸用水中ポンプが組み合わされています。この再生可能エネルギー構成により、小規模農家は高価で環境負荷の大きいディーゼル燃料への依存から解放され、燃料コストが約70%カットされました。

圃場に設置された土壌水分センサーは、リアルタイムの水分量と電気電導度(EC)データをウルドゥー語対応のスマホアプリへ送信します。自動施肥バルブが作物の生育ステージに合わせて最適な養分を自動調合し、直感的な管理を可能にします。
参加した農家からは圧倒的な好評価が示されています。水やりや除草作業にかかる労力が半減し、農家家族が副業や他の農作業に時間を割くことが可能になったと喜びの声が上がっています。
水資源の専門家は、気候変動による河川流量の変動や地下水位の低下が深刻化するパキスタンにおいて、マイクロ灌漑の拡大は食料安全保障の確立に不可欠であると指摘します。
普及を加速するため、パンジャブ州政府は認定点滴・スプリンクラー設備の購入に対し60%の資金補助金を給付することを決定しました。地域農業銀行も残金に対する低利融資枠を設け、資金面での後押しを行っています。

国際農業開発機関と地元大学が連携し、村落の青年技術者向けにソーラーポンプの保守や点滴チューブの補修技術を教える研修センターが各地に設立され、雇用の創出につながっています。
パンジャブ州における精密点滴灌漑の成功は、パキスタンの農業経済にとって決定的な転換点となります。水スマート型農業の定着が、将来にわたり地域の食料供給を確固たるものにすると期待されています。