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ポーランド憲法裁判所をめぐる危機が深刻化、大統領が飛行中に緊急帰国
ポーランドの首都ワルシャワにある憲法裁判所をめぐる対立は、裁判所長官と副長官が職務停止となったことを受け、数百人が街頭に繰り出す異例の事態へと発展した。
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- 公開
- 2026/10/31 19:11

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ポーランドの首都ワルシャワにある憲法裁判所をめぐる対立は、裁判所長官と副長官が職務停止となったことを受け、数百人が街頭に繰り出す異例の事態へと発展した。

ポーランドの首都ワルシャワにある憲法裁判所をめぐる対立は、裁判所長官と副長官が職務停止となったことを受け、数百人が街頭に繰り出す異例の事態へと発展した。裁判所の前では政府支持者と野党支持者が対峙した。緊張が制御不能になる恐れが生じたため、機動隊が出動した。デモ参加者と警察の衝突を受け、3人が拘束された。
憲法裁判所長官の職務停止を受け、ポーランドの政治・司法危機は一段と深刻化した。カロル・ナヴロツキ大統領はセネガルへ向かう途中、緊急帰国を決断した。一方、裁判所前で行われた反政府デモでは、警察と抗議参加者の間で緊張が高まり、その後、警察が3人を拘束した。
英国の放送局BBCとロイター通信の報道によると、デモ参加者は金曜日の夜、ワルシャワの憲法裁判所前に集まり抗議活動を行った。一部の参加者は警察官に物を投げつけ、裁判所周辺に設置された警備用フェンスを越えようとした。
一方、ナヴロツキ大統領は金曜日の夕方、セネガルに向けて出発していた。しかし、国内の緊張が高まる中、飛行中に航空機を引き返させ、ポーランドへ戻ることを決めた。ナヴロツキ氏はソーシャルメディア「X」への投稿で、このような状況では大統領が国内にいることが重要だと述べ、訪問を短縮して帰国すると明らかにした。
土曜日には憲法裁判所を訪問し、職務停止となった長官を支持する立場を表明したうえで、この措置は同国の憲法秩序に対する違反だと批判した。
金曜日、ポーランド憲法裁判所の上級判事アンナ・コルヴィン=ピオトロフスカ氏は、裁判所長官ボグダン・シフィエンチコフスキ氏と副長官バルトミェイ・ソハンスキ氏を、それぞれの職務から停止する命令を出した。
コルヴィン=ピオトロフスカ判事は、現職の裁判所幹部が議会の多数派によって選出された判事らの職務遂行を妨げており、その結果、裁判所の業務に支障が生じていると主張した。
しかし、裁判所長官とその支持者らは、この決定を違法だとして拒否した。憲法裁判所の公式アカウントは、この措置を同機関に対する違法な乗っ取りと呼び、クーデターに相当すると批判した。
また、ヴァルデマル・ジュレク法相は、長官と副長官に対する刑事手続きを可能にするため、両者の法的免責特権を解除するよう求める申し立てを行っていた。ただし、職務停止命令を出したのは法相ではなく、上級判事のアンナ・コルヴィン=ピオトロフスカ氏だった。
現在のポーランドでは、ドナルド・トゥスク首相率いる親欧州連合(EU)派の連立政権が政権を担っている。一方、カロル・ナヴロツキ大統領は、前政権を担った「法と正義」(PiS)党の支持を受けている。
両者は長年、司法機関の構成、判事の任命、憲法裁判所の権限をめぐって対立してきた。
トゥスク政権は、前政権が司法の独立性を損ない、主要な司法機関への政治的影響力を強めるような制度変更を行ったと主張している。現政権は、こうした変更を撤回し、司法の独立性を回復しようとしている。
これに対し、ナヴロツキ大統領と野党の「法と正義」党は、現政権が司法改革を口実に、重要な国家機関から政治的な対立勢力を排除しようとしていると非難している。
今回の事態について、トゥスク首相は、法の支配を回復することは政府の責任だと述べた。また、前政権下での法令違反を受けた司法制度の改革は困難で、時には痛みを伴う過程だが、断固とした措置が必要だと強調した。
ポーランドにおける司法の独立性と政治介入をめぐる対立は、2015年に「法と正義」党が政権を握ったことをきっかけに始まった。同党政権は、憲法裁判所判事の任命方法や司法制度の運用手続きについて、複数の制度変更を導入した。
これらの変更に対し、欧州連合(EU)や法律関係者から批判が相次ぎ、政府が司法への影響力を拡大しようとしているとの指摘が出た。欧州の裁判所も、ポーランドにおける一部の判事任命や憲法裁判所の独立性について、重大な法的懸念を示した。
2023年にドナルド・トゥスク率いる新政権が発足すると、司法制度から政治的影響力を排除し、前政権による改革を見直すと公約した。しかし、この取り組みは大統領の反対に直面し、大統領による拒否権の行使などによって難航した。
2025年にカロル・ナヴロツキ氏が大統領に選出されると、政府と大統領府の対立はさらに深まった。大統領は、議会が指名した6人の判事のうち3人について、就任宣誓を受け入れることを拒否した。一方、職務停止となった憲法裁判所長官のボグダン・シフィエンチコフスキ氏も、現在の議会多数派によって選出された判事らが職務に就くことを妨げていた。
こうして、ポーランドの憲法裁判所は長期にわたる政治的・法的対立の中心となっている。今回の職務停止と、それに対する抗議活動は、この対立が新たな局面に入ったことを示している。